叱る と 怒る の違いについて書かれた記事や本をよく読む。
大体、以下のような内容が多いと思う。
叱るときは
・相手の目線で話す
・アイ(I)メッセージで「〇〇君が××すると、お母さんかなしいな」という感じで話す
・みんな前では叱らない
などなどだ。
どの記事にも言葉のテクニック的なものはあるが、話者の感情について書かれたものが少ないように感じる。
でも実際一番大切なのは、言葉よりも話者の感情だ と思うようになった。
例えば、以下のような事例だ。
・「どうして言わないとわからないの」
→(一体、何度いえばわかるんだという自分の不満)
・「〇〇君がやらないと、おかあさん、さみしい」
→(相手が指示通りに動かないことへの自分の不満)
・「こんな問題もわからないんじゃ、どうしようもないね」
→(自分が一生懸命教えているのに、相手の変化がないことへの自分の不満)
どう伝えても、自分の不満が子供に伝わった瞬間に、子供は聞く気をなくす。
子供としては「また、お母さん(先生)怒っているよ」という認識で終わりだ。
では、どうするのか?
解決方法というか対応策レベルだが、今のところ気づいているのは2つのことだ。
・自分の不満の感情をなくす、もしくは極力減らしてから話す
相手の課題なのに、自分の課題のように感じて、話をしてしまうから不満が伝わってしまうのだ。学力が上がらないのも、志望校に合格しないのも、宿題をやらないのも、全部その子が困ることなので、その子の課題だ。本当は問題があるかもしれないが、自分の指導方法や、今までの努力が報われない虚しさなどは一旦端に置いておいて、「相手の課題をなんとかしてあげるために、ちょっと相談にのってやるか」くらいの軽い気持ちで話をはじめたほうが、成功確率が高いと感じる。
・課題解決型で話をする
その子の課題だが、親として、もしくは教師として、その課題へのアプローチを一緒に考える人という立ち位置を崩さずに話をつづけること。課題の設定も、子供を責めるところからはじめるのではなく「この順位だと、志望校には合格できそうにないと思うんだけど、〇〇くんはどう思っているの」と、課題の設定から一緒にやったほうがいい。
もし相手が
「大丈夫だよ」と言って来たら(本当は大丈夫じゃなくても)
「そっか、大丈夫だと思っているなら、任せてて大丈夫なんだね。安心したよ。じゃあ、頑張ってね」
と突き放せばいいのだ。
そして、ポイントは、
親や教師が決めていた結論(落としどころ)に無理に着地させない
ということだ。
これをやると、小学生まではまだいいかもしれないが、中学生になって反抗期になったころからは相手の激しい反論という手ひどい失敗になるケースが多い。
親も、今までの成功体験(子供を言うとおりに動かせる勝利の方程式)が崩れて、戸惑う時期でもある。そういう意味では、今までは体の成長ばかりを気にしていた親が子供の精神面での成長に携わる初めての時期なので、子供以上に親の対話力や対応方法のさらなるスキルアップが問われる時期であるような気がする。
この時期のお子様をお持ちの保護者の方々の一助になればと思って書いてみた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<追記>
こういう保護者の方の悩みにも対応できる塾にするために、僕自身ももっと成長が必要だ。
そして、保護者の方とも連携して対応できる塾に、もっともっとしていきたいと思っている。

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